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特定技能2号とは?1号との違いを業種・取得条件など項目別に解説

外国人材

特定技能2号とは?1号との違いを業種・取得条件など項目別に解説

外国人労働者の受け入れ制度として注目される特定技能制度は、2019年の導入以降、日本の人手不足解消に大きな役割を果たしています。その中でも特定技能2号は、2023年の制度改正により対象分野が大幅に拡大され、企業の中長期的な人材確保戦略において重要な選択肢となっています。しかし、特定技能1号との違いや具体的な取得条件について、正しい理解が不足している企業担当者や外国人労働者も多いのが現状です。本記事では、特定技能2号の制度概要から1号との詳細な違い、対象業種、取得条件まで、必要な情報を解説します。

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特定技能2号の制度の概要と特徴

特定技能2号は、外国人が日本において長期間にわたって就労することを目的とした在留資格の一つです。この制度は、高度な専門技能と豊富な実務経験を有する外国人労働者を対象としており、日本の労働市場において即戦力として活躍できる人材の確保を目指しています。

特定技能2号の定義と制度の目的

特定技能2号は、特定産業分野において相当程度の知識または経験を必要とする業務に従事する外国人向けの在留資格として位置づけられています。この制度の最大の特徴は、在留期間に上限がなく、定期的な更新により長期間の就労が可能である点です。また、家族の帯同も認められており、外国人労働者の生活安定と日本社会への定着を促進する重要な役割を担っています。

制度の目的は、日本の産業競争力維持と労働力不足解消を両立させることにあります。高度な技能を持つ外国人労働者の長期雇用を実現することで、企業は安定した人材確保が可能となり、技能の蓄積や技術移転も期待できます。

2023年の制度改正による変更点

2023年の制度改正では、特定技能2号の対象分野が大幅に拡大されました。従来は建設業と造船・舶用工業の2分野のみでしたが、改正後は11分野に拡大され、より多くの業種で活用できるようになっています。

この改正により、企業は幅広い分野で長期的な人材戦略を立てることが可能になり、外国人労働者にとってもキャリア形成の選択肢が大きく広がりました。さらに、各分野の技能評価基準も明確化され、より透明性の高い制度運用が実現されています。

主要な変更点は下記のとおりです。

  • 対象分野の11分野への拡大
  • 技能評価基準の明確化
  • 家族帯同要件の整備
  • 永住許可要件への貢献

特定技能1号と2号の主要な違い

特定技能1号と2号には、在留期間、技能水準、支援体制など多くの面で違いがあります。これらの違いを正確に理解することで、外国人労働者の方にとってキャリアプランに最適な選択肢を選ぶことができます。

在留期間と更新要件の違い

最も重要な違いの一つが在留期間です。特定技能1号は最大5年間の在留期間が設定されており、通算5年を超えて日本に滞在することはできません。一方、特定技能2号は在留期間に上限がなく、要件を満たす限り更新を繰り返すことが可能です。

特定技能2号の更新は3年、1年または6か月ごとに行われ、継続的に高度な技能を維持していることが証明できれば、理論的には永続的な滞在が可能になります。この違いにより、企業は2号取得者に対してより長期的な投資と人材育成を行うことができ、安定した雇用関係を築くことが可能です。

技能水準と業務範囲の違い

技能水準においても明確な違いがあります。特定技能1号は「相当程度の知識または経験を要する技能」を必要としますが、特定技能2号は「熟練した技能」が求められます。具体的には、2号では監督者的立場での業務遂行や、より複雑で専門性の高い作業への従事が期待されます。

業務範囲も拡大され、1号では定型的な業務が中心となりますが、2号では企画立案や技術指導、品質管理などの高度な業務にも従事できるようになります。

下記が、それぞれの比較表になります。

項目特定技能1号特定技能2号
在留期間最大5年(通算)上限なし
技能水準相当程度の知識・経験熟練した技能
家族帯同不可可能
支援義務ありなし

特定技能2号の対象業種と拡大予定分野

2025年時点で特定技能2号の対象となる業種は11分野に拡大されており、今後もさらなる拡大が予定されています。各分野における具体的な業務内容と求められる技能レベルを理解することで、企業は自社のニーズに最適な人材確保戦略を立てることができます。

現在の対象となる11分野の詳細

特定技能2号の対象分野は、日本の産業構造における重要性と人材不足の深刻度を考慮して選定されています。建設業、造船・舶用工業に加えて、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、介護、ビルクリーニングが含まれています。

各分野では、単なる作業従事者ではなく、技術指導や品質管理、チームリーダーとしての役割を担える人材が求められています。これにより、企業は即戦力として活用できる高度人材を確保でき、生産性向上と技術継承の両立が可能になります。

業種別の技能評価基準

各業種では独自の技能評価基準が設定されており、業界特有の専門知識と実務経験が評価されます。建設業では施工管理や安全管理の知識、製造業では品質管理や工程改善の技能、サービス業では顧客対応や店舗運営の能力などが重視されます。

技能評価は実技試験と学科試験の組み合わせで行われることが多く、実際の業務で必要とされる実践的なスキルが重点的にチェックされます。業種別の技能評価基準と主要評価項目の一覧は下記のとおりです。

  1. 建設業:施工管理、安全管理、技能指導
  2. 製造業:品質管理、工程改善、設備保全
  3. 農業:栽培技術、経営管理、技術指導
  4. 介護:専門的ケア技術、チームマネジメント
  5. 宿泊業:サービス企画、多言語対応、運営管理

今後の分野拡大予定と動向

政府は労働市場の動向と産業ニーズを踏まえ、特定技能2号の対象分野をさらに拡大する方針を示しています。特に、デジタル化が進む分野やグリーン産業、医療・福祉関連分野での拡大が検討されており、より多様な業種での活用が期待されます。

分野拡大により、企業はより戦略的に外国人高度人材を活用でき、国際競争力の向上にもつながることが期待されています。最新の対象分野については、出入国在留管理庁の公式情報を定期的に確認することが重要です。

特定技能2号取得するための手続き

特定技能2号を取得するためには、技能水準の証明、実務経験の要件、各種試験の合格など、複数の条件をクリアする必要があります。これらの要件を正確に理解し、適切な準備を行うことで、スムーズな取得手続きが可能になります。

基本的な取得要件と必要書類

特定技能2号の取得要件は、技能水準の証明が最も重要な要素となります。各分野で実施される技能評価試験に合格することで、熟練した技能を有することを客観的に証明する必要があります。また、一定期間の実務経験も必要で、多くの分野では3年以上の実務経験が求められます。

必要書類には技能評価試験合格証明書、実務経験証明書、健康診断書、犯罪経歴証明書などが含まれ、すべて有効期限内の書類を準備する必要があります。書類の準備には時間がかかるため、早めの着手が推奨されます。

技能評価試験の内容と対策

技能評価試験は各分野の業界団体や指定機関が実施しており、実技試験と学科試験で構成されることが一般的です。試験内容は実際の業務で必要とされる技能に基づいて設計されており、現場での即戦力としての能力が評価されます。

試験対策としては、業界標準の技術書や過去問題の活用、実務での経験積み重ねが効果的です。また、一部の分野では試験対策講座も開催されており、効率的な学習が可能です。主要な試験項目と内容、評価ポイントは以下のとおりです。

試験種別内容評価ポイント
実技試験業務遂行能力の実演正確性、効率性、安全性
学科試験専門知識の筆記試験理論的理解、応用力
面接試験コミュニケーション能力日本語能力、指導力

申請手続きの流れと注意点

特定技能2号への変更申請は、地方出入国在留管理局で行います。申請から許可まで通常2〜3か月程度を要するため、在留期限に余裕を持った申請が必要です。申請時には雇用契約書や受入れ機関の概要書も必要となり、企業側の協力も不可欠です。

申請書類に不備があると審査が遅れるため、行政書士などの専門家に相談することで、確実かつ効率的な手続きが可能になります。また、申請期間中は就労を継続できるよう、適切な在留期間の管理も重要です。

特定技能2号取得のメリットとデメリット

特定技能2号の取得は、企業と外国人労働者の双方にとって多くのメリットをもたらしますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。これらを理解することで、適切な判断と準備が可能になります。

企業側のメリットと活用方法

企業にとって特定技能2号取得者の雇用は、長期的な人材確保と技能継承の観点から大きなメリットがあります。上限のない在留期間により、企業は長期的な視点での人材育成投資が可能となり、技術やノウハウの蓄積を図ることができます。

特に製造業では、熟練技能者として品質管理や工程改善に貢献でき、即戦力としての価値が非常に高くなります。また、支援義務がないため、特定技能1号と比較して人事管理コストを削減できる点も重要なメリットです。

外国人労働者側のメリット

外国人労働者にとっては、キャリア形成と生活安定の両面で大きなメリットがあります。長期滞在が可能になることで、日本での専門性を高めながら安定したキャリアを築くことができます。また、家族帯同が認められるため、家族と一緒に日本で生活することが可能になります。

永住権取得への道筋も開かれており、将来的な日本での定住を考える外国人にとって重要な選択肢となります。高度な技能を活かした業務に従事することで、収入面での向上も期待できます。外国人労働者にとってのメリットは下記のとおりです。

  • 長期間の安定した就労機会
  • 家族との日本での生活実現
  • 専門技能の向上とキャリア発展
  • 永住権取得への可能性
  • 収入向上の機会

注意すべきデメリットと課題

一方で、特定技能2号には取得の困難さという課題があります。高度な技能評価試験の合格が必要で、相応の準備期間と学習コストがかかります。企業側も、高度人材に見合う処遇や職場環境の整備が求められ、人件費の上昇は避けられません。

また、制度変更のリスクもあり、法改正により要件や対象分野が変更される可能性があるため、常に最新情報のフォローが必要です。さらに、家族帯同により生活支援の必要性が高まる場合もあり、企業の対応体制も重要になります。

まとめ

特定技能2号は、高度な技能を持つ外国人労働者の長期雇用を実現する重要な制度として、2023年の制度改正により大幅に拡充されました。在留期間に上限がなく家族帯同も可能な2号は、特定技能1号とは明確に異なる特徴を持ち、企業の長期的人材戦略において重要な選択肢となっています。

取得には各分野の技能評価試験合格と実務経験が必要で、相応の準備が求められますが、企業と外国人労働者双方にとって大きなメリットをもたらします。制度の継続的な拡大が予定されており、今後さらに多くの分野での活用が期待されることから、最新情報の確認と適切な準備により、効果的な活用が可能になるでしょう。

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