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外国人材を受け入れるには?制度別の準備・手続き・サポート体制ガイド

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外国人材を受け入れるには?制度別の準備・手続き・サポート体制ガイド

少子高齢化による人手不足が深刻化する中、外国人材の受け入れは多くの企業にとって重要な経営課題となっています。しかし、外国人材の雇用には在留資格の選定、複雑な手続き、受け入れ後のサポート体制など、国内人材とは異なる対応が必要です。本記事では、外国人材受け入れに必要な主要制度の比較から、具体的な手続きフロー、受け入れ後のサポート体制まで、実務担当者が押さえるべきポイントを解説します。外国人材の受け入れを検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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外国人材受け入れの主要制度と特徴

ここでは、製造業や工場現場での受け入れに関連性の高い主要な在留資格について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。制度ごとの違いを正確に把握することで、自社に適した受け入れ方法を判断できるようになります。

特定技能制度の概要と対象業種

特定技能は、人手不足が深刻な特定産業分野において、即戦力となる外国人材を受け入れる制度です。2019年に創設され、製造業を含む12分野(2025年時点では16分野まで拡大)で受け入れが可能となっています。特定技能1号では最長5年間の就労が認められ、一定の技能試験と日本語試験に合格した人材を採用できます。

製造業では「素形材産業分野」、「産業機械製造業分野」及び「電気・電子情報関連産業分野」などが対象です。技能実習からの移行も可能で、すでに日本での就労経験がある人材を継続雇用できる点も大きなメリットとなります。特定技能2号に移行すれば、在留期間の更新制限がなくなり、長期的な雇用も実現可能です。

技能実習制度の仕組みと目的

技能実習制度は、開発途上国への技能移転を目的とした国際協力の枠組みです。企業単独型と団体監理型の2つの受け入れ方式があり、多くの中小企業は監理団体を通じた団体監理型を利用しています。最長5年間の受け入れが可能で、段階的に在留資格の更新が認められています。

技能実習では職種・作業が限定されており、製造業では機械加工、金属プレス加工、溶接、塗装など80以上の職種が対象となっています。ただし、技能移転が主目的であるため、単純な労働力補充としての利用は認められません。監理団体への費用支払いや、技能実習計画の作成・実施など、特定技能と比較して管理面での負担が大きい点に注意が必要です。

技術・人文知識・国際業務の活用場面

技術・人文知識・国際業務(技人国)は、専門的な知識や技術を持つ外国人材を対象とした在留資格です。大学卒業または実務経験10年以上(通訳・翻訳は3年以上)といった学歴・経歴要件があり、ホワイトカラー職種での採用に適しています。在留期間の制限がなく、更新を続ければ長期的な雇用が可能です。

製造業では、生産技術エンジニア、品質管理担当者、生産管理システムの開発・運用担当、海外取引の通訳・翻訳業務などで活用されています。現場作業員としての採用はできませんが、技術指導や管理業務を担う人材として重要な役割を果たします。転職も可能であるため、定着率向上のための処遇改善や職場環境の整備が求められます。

外国人材受け入れの具体的な手続きフロー

外国人材の受け入れには、国内在留者を採用する場合と、海外から呼び寄せる場合で手続きが大きく異なります。ここでは、特定技能を中心に、国内採用と海外採用それぞれの手続きフローを時系列で解説します。各ステップでの注意点や必要書類についても具体的に説明しますので、実務の参考にしてください。

国内在留者を採用する場合の手順

すでに日本に在留している外国人を採用する場合、在留資格変更許可申請が中心的な手続きとなります。留学生や技能実習修了者など、現在の在留資格から就労可能な資格への変更が必要です。まずは求人活動を行い、面接・選考を経て採用を内定します。この段階で、応募者の在留カードを確認し、現在の在留資格と在留期限を必ず確認してください。

内定後は雇用契約書を作成し、在留資格変更許可申請の準備を進めます。申請には企業側の書類(登記事項証明書、決算書類、事業内容説明書など)と、本人の書類(パスポート、在留カード、履歴書、技能試験・日本語試験の合格証明書など)が必要です。特定技能の場合は、1号特定技能外国人支援計画も作成・提出します。出入国在留管理局への申請から許可まで、通常1〜3か月程度かかるため、余裕を持ったスケジュール設定が重要です。

海外から呼び寄せる場合の手順

海外在住の外国人を採用する場合、在留資格認定証明書(COE)の交付申請から始まります。海外の送り出し機関や人材紹介会社を通じて候補者を選定し、オンライン面接などで選考を行います。採用決定後、雇用契約書を締結し、COE交付申請の準備に入ります。申請書類は国内採用とほぼ同様ですが、本人が海外にいるため、書類の取得や認証に時間がかかる点に注意が必要です。

COEの交付までには通常1〜3か月程度かかります。交付後、証明書を海外の本人に送付し、本人が現地の日本大使館・領事館でビザ申請を行います。ビザ取得後、来日スケジュールを調整し、入国後は居住地の市区町村で住民登録、在留カードの受領を行います。海外採用では、COE申請からビザ取得、入国まで最短でも3〜4か月程度を見込む必要があります。

在留資格申請に必要な主要書類

在留資格の申請では、企業側と本人側の双方から多数の書類を提出する必要があります。書類の不備は審査遅延や不許可の主要因となるため、チェックリストを作成して確実に準備しましょう。企業の規模によって必要書類が異なる点にも注意が必要です。主な書類区分と代表例は、以下のとおりです。

書類区分主な必要書類備考
申請書類在留資格変更許可申請書または
在留資格認定証明書交付申請書
出入国在留管理庁の様式を使用
企業書類登記事項証明書、決算書類、
事業内容説明書、雇用条件書
カテゴリーにより一部省略可
本人書類パスポート、履歴書、最終学歴証明書、職歴証明書翻訳文が必要な場合あり
資格証明技能試験合格証明書、日本語試験合格証明書特定技能の場合必須
支援関連1号特定技能外国人支援計画書、支援委託契約書特定技能1号の場合必須
その他在留カード(国内在留者)、返信用封筒、手数料申請区分により異なる

審査期間とスケジュール管理のポイント

在留資格の審査期間は標準処理期間として1〜3か月とされていますが、申請内容や時期によって大きく変動します。特に年度末や新年度開始時期は申請が集中するため、審査に時間がかかる傾向があります。採用計画を立てる際には、最低でも4〜6か月程度の余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。

在留資格変更申請中は、申請受理から結果通知までの間、特例期間として就労が可能です。ただし、申請が不許可となった場合、遡って雇用関係が無効となるリスクがあるため、申請内容は慎重に準備する必要があります。また、申請中の本人が一時帰国すると、みなし再入国が適用されない場合があるため、審査期間中の海外渡航は避けるよう本人に伝えておくことが重要です。

受け入れ企業が整備すべきサポート体制

外国人材の受け入れでは、在留資格の取得だけでなく、受け入れ後の支援体制整備が極めて重要です。ここでは、外国人材が安心して働き続けられる環境を整えるために必要な支援項目と、実務での具体的な取り組み方法について解説します。法令遵守はもちろん、定着率向上の観点からも重要なポイントです。

生活支援と日常サポートの内容

外国人材が来日直後に直面する課題は、住居確保、銀行口座開設、携帯電話契約など、日常生活の基盤整備です。これらは日本語能力や日本の制度理解が十分でない段階では非常に困難なため、企業側の積極的なサポートが必要となります。特定技能では、事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保支援、生活オリエンテーションが義務的支援として定められています。

住居確保では、賃貸契約の連帯保証人になる、社宅・寮を提供する、不動産会社への同行支援を行うなどの方法があります。銀行口座開設や携帯電話契約でも、窓口への同行や通訳サポートが効果的です。また、ゴミ出しルール、公共交通機関の利用方法、医療機関の受診方法など、日常生活に必要な情報を母国語も含めて提供することで、スムーズな生活立ち上げを支援できます。

職場での言語・文化サポート

職場でのコミュニケーション支援は、業務の円滑な遂行と労働災害防止の両面で重要です。作業手順書や安全マニュアルを多言語化する、専門用語集を作成する、イラストや写真を活用した視覚的な教材を用意するなどの工夫が有効です。日本語研修の機会を提供することも、長期的な育成の観点から推奨されます。

文化的な違いへの配慮も欠かせません。宗教上の配慮(礼拝時間の確保、食事制限への対応)、コミュニケーションスタイルの違い(直接的な指示の好み、質問の仕方など)、休暇の考え方(母国の祝日、長期休暇の希望など)について、事前に本人から確認し、可能な範囲で対応することが信頼関係構築につながります。また、日本人従業員に対しても、異文化理解研修を実施することで、相互理解を深めることができます。

トラブル予防と相談体制の構築

外国人材との間でよくあるトラブルには、給与・残業代の認識違い、雇用条件の相違、人間関係の悩み、在留資格の更新忘れなどがあります。これらの多くは、事前の十分な説明不足やコミュニケーション不足から生じています。雇用契約時には、給与計算方法、勤務時間、休日、社会保険、退職金制度などを、母国語の資料も使って丁寧に説明することが重要です。

日常的な相談窓口を明確にし、本人が気軽に相談できる体制を整えることも必要です。社内に外国人材の母国語を話せる従業員がいれば、メンター役として任命するのも効果的です。自社での対応が難しい場合は、登録支援機関や外国人支援団体の相談サービスを活用する方法もあります。法務省の外国人在留支援センターなど、公的な相談窓口も充実してきているため、これらの情報を本人に提供しておくと安心です。

法令遵守と定期報告の実務

外国人材を雇用する企業には、労働基準法や最低賃金法などの一般的な労働法令に加えて、外国人雇用に関する特有の義務があります。ハローワークへの外国人雇用状況届出は、雇用・離職時に必ず行う必要があります。

特定技能外国人を受け入れている場合は、出入国在留管理庁への定期届出(四半期ごと)も義務付けられており、これを怠ると受け入れ停止処分を受ける可能性があります。主な義務と提出先・頻度は、以下のとおりです。

義務・報告事項提出先期限・頻度
外国人雇用状況届出ハローワーク雇用・離職の翌月10日まで
特定技能外国人の受入れ状況届出出入国在留管理庁四半期ごと
支援実施状況届出出入国在留管理庁四半期ごと
技能実習実施状況報告外国人技能実習機構年1回
在留資格更新許可申請出入国在留管理局在留期限の3か月前から

まとめ

外国人材の受け入れには、在留資格の適切な選択、正確な手続きの実施、充実したサポート体制の構築という3つの要素が不可欠です。特定技能、技能実習、技術・人文知識・国際業務など、制度ごとに要件や手続きが大きく異なるため、自社の事業内容と求める人材像に最も適した制度を選択することが成功の第一歩となります。

受け入れ手続きでは、国内採用と海外採用で必要なプロセスが異なり、いずれの場合も十分な準備期間を確保することが重要です。在留資格申請には多数の書類が必要となるため、チェックリストを活用した確実な準備と、余裕を持ったスケジュール管理を心がけてください。

受け入れ後のサポート体制は、法令遵守と人材定着の両面で極めて重要です。生活支援、言語・文化サポート、相談体制の整備、定期的な報告義務の履行など、継続的な取り組みが求められます。

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※ 本記事の内容は、執筆時点の制度・法令等にもとづいています。最新の情報は必ず関係省庁や公式サイト等でご確認ください。

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