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角度(勾配)計算ツール
直角三角形の2辺から傾斜角度(θ)と残りの1辺を求めることができます。
- 辺 abから 角度 θ を算出
- 辺 ac から 角度 θ を算出
- 辺 bc から 角度 θ を算出

辺abから角度θを算出
辺acから角度θを算出
辺bcから角度θを算出
【解説】角度計算が設計・製図で重要な理由
設計図面において角度は、部品の形状・配置・加工精度に直結する重要な要素です。
しかし、角度の表記方法や単位の違いを正しく理解していないと、加工現場との認識ズレや誤差の原因になります。
以下では、角度の単位・変換方法・計算式・三角関数の活用まで、実務に役立つ知識を体系的に解説します。
角度の表記方法と単位の違い
■ 弧度法(ラジアン、rad)
円の半径と同じ長さの弧がつくる中心角を1ラジアンとして角度を表す方法で、数学・物理・プログラミングで多用されます。
- 1周(360°)=2πラジアン
- 1ラジアン=57.3度
■ 度数法(deg)
円の1周を360度として角度を表す方法です。
■ 60分法(度分秒、DMS)
度数法の1度を60等分したものを1分、1分を60等分したものが1秒とする表示法です。
・1度(°)=60分(′)
・1分(′)=60秒(″)
・例:12°20′44″ / 12度20分44秒
■ CAD・CAMでの注意点
ソフトによっては弧度法で内部処理される場合もあります。単位の設定ミスが加工精度に影響するため、単位の確認が必須です。
角度の変換方法と計算例
■ 弧度法 θ(rad) ↔ 度数法 θ(deg) の変換
・θ(rad) = θ(deg) × π / 180
・θ(deg) = θ(rad) × 180 / π
例:π/6ラジアン → 30°
■ 度数法の小数点表記 → 度分秒(DMS)変換
例:12.3456°
・度:12
・分:0.3456 × 60 = 20.736 → 20
・秒:0.736 × 60 = 44.16
→ 12°20′44.16″
例:12°20′44.16″
・整数部:12
・小数部:(20×60 + 44.16) ÷ 3600 = 0.3456
→ 12.3456°
確度の計算方法と実例
■ 三角形の角度計算(余弦定理)
辺 a = 5cm、b = 7cm、c = 8cm
cos C = (a² + b² – c²) / 2ab = (25 + 49 – 64) / 70 = 0.1429
C = arccos(0.1429) ≒ 81.78°
■ 傾斜角の計算(直角三角形)
高さ = 3cm、底辺 = 4cm
tan θ = 3 / 4 → θ = arctan(0.75) ≒ 36.87°
■ 穴位置の角度計算(円周上)
円周上に等間隔で4つの穴を配置 → 各穴の中心角:360° ÷ 4 = 90°
三角関数による辺の求め方と計算例
■ 直角三角形
角度θ = 30°、隣辺 = 10cm → 対辺 = tan(30°) × 10 ≒ 5.77cm
■ 任意三角形(正弦定理)
角A = 45°、辺a = 10cm、角B = 60°
b = a × sin B / sin A = 10 × sin 60° / sin 45° ≒ 12.25cm
実務での注意点とミス防止策
- 単位の混在による誤差に注意
- CADソフトの角度設定を確認(度かラジアンか)
- 加工現場との情報共有は「単位明記」が基本
- Excelやスクリプトでの自動変換も活用可能
まとめ:角度計算を正しく扱うためのチェックリスト
- 単位(度・分・秒・ラジアン)の確認
- 三角関数の使い方を理解
- 図面と加工指示の整合性をチェック
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