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設備図面(電気図・機械図)記号一覧|電気図・機械図の読み解きポイントを解説

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設備図面(電気図・機械図)記号一覧|電気図・機械図の読み解きポイントを解説

製造現場や工場施設では、電気設備や機械設備の保守・管理において図面の正確な読解が不可欠です。しかし、設備図面には多種多様な記号が使用されており、その意味や使い分けを理解していないと、誤った判断や施工ミスにつながる恐れがあります。本記事では、電気図面と機械図面に使われる主要な記号を解説し、現場で即活用できる読み解きポイントを分かりやすく説明します。設備管理者や設計担当者の皆様が、自信を持って図面を活用できるよう、JIS規格に基づいた正確な情報を提供いたします。

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設備図面の基本構成と種類

設備図面は建物や工場の電気設備・機械設備を表現する技術文書であり、設計・施工・保守のすべての段階で活用されます。図面には目的に応じていくつかの種類があり、それぞれ異なる情報を伝達する役割を持っています。まずは設備図面の全体像を把握し、各図面の特徴と用途を理解することが正確な読解の第一歩となります。

電気設備図と機械設備図の違い

電気設備図は電源供給・配線・制御回路などの電気系統を表現し、一方で機械設備図は空調・給排水・配管などの機械系統を表現します。電気設備図では電力の流れや制御ロジックが中心となり、機械設備図では流体の流れや機器の配置が重要な情報となります。両者は密接に関連しており、大規模な製造施設では両方の図面を総合的に理解する必要があります。

電気設備図は主に電気工事や保守管理で使用され、電気主任技術者や電気工事士が日常的に扱います。一方、機械設備図は設備技術者や施工管理者が中心となって活用し、空調設備や給排水システムの設計・施工・メンテナンスに不可欠です。製造業の大規模工場では、これら両方の図面を横断的に理解できる人材が求められます。

配線図・系統図・接続図の使い分け

電気設備図にはいくつかの表現形式があり、それぞれ異なる目的で作成されます。配線図は実際の配線経路や機器の物理的配置を示し、現場での施工や配線作業に直接使用されます。系統図は電力供給の流れや制御系統を論理的に表現し、システム全体の構成理解や故障診断に活用されます。

接続図は機器間の電気的接続関係を詳細に示し、端子番号や配線仕様など具体的な接続情報を提供します。これらの図面は相互に補完関係にあり、設計段階では系統図から始まり、詳細設計で配線図や接続図が作成されるのが一般的です。保守管理では故障箇所の特定に系統図を使い、実際の修理作業では配線図や接続図を参照します。

図面に記載される基本情報

設備図面には記号だけでなく、様々な補足情報が記載されています。図面タイトルや図面番号、改訂履歴といった管理情報は、図面の識別や最新版の確認に必要です。縮尺や方位、凡例などの図面仕様情報は、正確な寸法把握や配置理解に不可欠です。

さらに、注記や施工上の注意事項、使用機器の仕様や型番なども重要な情報として記載されます。これらの補足情報を見落とすと、設計意図を正しく理解できず、施工ミスや管理上の問題につながる可能性があります。図面を読む際には記号だけでなく、これらの周辺情報にも必ず目を通す習慣が大切です。以下の表は、設備図面における主な図面種類とその用途、表現内容をまとめたものです。

図面の種類主な用途表現内容
配線図施工・配線作業実際の配線経路と機器配置
系統図システム構成理解・故障診断電力供給の流れと制御系統
接続図機器接続・端子作業機器間の接続関係と端子情報
単線結線図電源系統の全体把握主回路の構成と保護機器

電気図面の主要記号一覧

電気図面には数多くの記号が使用されており、JISC0617や旧JISC0301などの規格に基づいて標準化されています。これらの記号を正確に理解することで、図面から電気設備の構成や機能を読み取ることができます。ここでは、現場で頻繁に使用される主要な電気図面記号を分類して解説します。

電源・分電盤関連の記号

分電盤は「BP」や四角形の中に斜線を入れた記号で表現され、電源供給の中心となる重要な機器です。受電設備は「R」、主配電盤は「MDB」、動力盤は「DP」といった略号で表記されます。これらの記号は図面上での電源系統の起点や分岐点を示し、電力供給の流れを理解する上で最も基本的な要素となります。

変圧器は二つのコイルを並べた記号で表現され、電圧変換の箇所を示します。接地記号は複数の水平線を縦に重ねた形で表され、安全対策として非常に重要です。これらの電源関連記号を正確に読み取ることで、施設全体の電力供給体系を把握できます。

照明・コンセント関連の記号

照明器具の記号は種類によって異なる形状で表現されます。一般的な天井照明は円形に文字や図形を組み合わせた記号、非常灯は塗りつぶした円形、誘導灯は矢印を含む記号で区別されます。

コンセントは円形に接地極の有無や用途に応じた記号を組み合わせて表現され、一般コンセントは円形に縦線を追加します。専用コンセントや防水コンセントなど、特殊な用途のものはさらに記号が細分化されます。これらの記号を理解することで、電源供給計画や保守作業を正確に実施できます。

スイッチ類の記号

スイッチ類は用途や機能によって多様な記号が存在します。3路スイッチは「3」、4路スイッチは「4」の数字が付与されます。タイマースイッチやセンサースイッチなども、それぞれ固有の記号で表現されます。

機械設備図面の主記号一覧

機械設備図面では、配管や空調機器、ポンプ、バルブなど、流体を扱う設備の記号が中心となります。これらの記号もJIS規格に基づいて標準化されており、正確な理解が設備の適切な運用と保守に直結します。機械図面特有の記号体系を把握することで、製造現場の設備管理がより効率的になります。

配管・バルブ関連の記号

配管は実線で表現され、流体の種類や用途によって線の太さや種類(実線・破線・一点鎖線)を使い分けます。給水管、排水管、蒸気管、冷温水管など、それぞれ異なる表現方法が定められています。配管径も図面上に数値で明記され、流量計算や圧力損失の確認に使用されます。

バルブ類は多様な種類があり、それぞれ固有の記号で表現されます。仕切弁はリボン形、玉形弁は円形と縦線の組み合わせ、逆止弁は仕切弁から斜め線を1本抜いたような記号で示されます。電動弁や空気弁などの自動制御バルブには、駆動方式を示す記号が追加されます。これらの記号を正確に理解することで、配管系統の構成や制御方法を把握できます。

空調・換気設備の記号

空調機器の記号は機器の種類と機能を視覚的に表現します。エアハンドリングユニット(AHU)は四角形の中に「AHU」の文字、ファンコイルユニット(FCU)は「FCU」、パッケージエアコン(PAC)は「PAC」といった略号で表記されます。空気の流れは矢印で表現され、吹出口や吸込口も専用の記号で示されます。

換気設備では換気扇や送風機の記号が重要です。寸法や風量、風速、静圧なども補足情報として記入され、空調設計や保守作業の基礎データとなります。これらの記号と数値情報を総合的に読み取ることで、空調システム全体の性能を評価できます。

ポンプ・熱源機器の記号

ポンプは円形の中に羽根車を模した記号で表現され、ボイラーや冷凍機などの熱源機器は、機器の外形を簡略化した図形の中に略号や機能を示す記号を配置して表現されます。

これらの機器記号には、定格能力や仕様、型番などの情報が併記されることが一般的です。機器の選定や更新時には、これらの情報を正確に読み取ることが不可欠です。また、機器の配置や配管接続の関係も図面から読み取れるため、保守スペースの確認や改修計画の立案にも活用できます。

図面を読み解く際の重要ポイント

設備図面を正確に読み解くには、記号の知識だけでなく、図面全体の構成や表現ルールを理解することが重要です。電気や流体の流れには一定の方向性があり、これを理解することで図面の意図を正確に把握できます。また、図面には多くの暗黙のルールや慣習があり、これらを知ることで図面読解の精度が大きく向上します。

電気の流れと信号の方向

電気図面では電力や信号の流れは左から右、または上から下に表現するのが基本ルールです。この原則に従うことで、図面を見る人が直感的に電源から負荷への流れを理解できます。制御回路図では、電源側を図の上部や左側に配置し、負荷や出力側を下部や右側に配置することが標準的です。

系統図では主回路と制御回路を明確に分けて表現することも重要です。主回路は太線、制御回路は細線で描き分け、視覚的に区別しやすくします。この表現方法により、大電流が流れる動力系統と微小電流の制御系統を混同せずに理解できます。

線種と線の太さの意味

図面では実線、破線、一点鎖線など、異なる線種が使い分けられています。実線は実際に存在する配線や配管を示し、破線は隠れた部分や既設部分を表現します。一点鎖線は中心線や範囲を示すのに使われます。

線の太さも重要な情報であり、太線は主回路や主要配管、細線は制御回路や補助配管を示すのが一般的です。この使い分けにより、システムの主要部分と補助的な部分を視覚的に区別できます。図面を読む際には、これらの線種と太さの違いに注意を払うことで、設備の重要度や優先順位を理解できます。

寸法・注記・補足情報の読み方

図面には記号だけでなく、数値による寸法情報や文字による注記が豊富に記載されています。配線や配管のサイズ、機器の設置高さ、配置の基準寸法などは、施工や保守作業に直接影響します。これらの数値情報を見落とすと、施工ミスや機器の干渉などの問題が発生する可能性があります。

注記には施工上の注意事項、使用材料の指定、特殊な施工方法などが記載されます。特に「施工上の注意」や「現場確認」などの記述は、図面だけでは判断できない重要な情報を含んでいることが多く、必ず確認する必要があります。補足情報を丁寧に読み取ることで、設計者の意図を正確に理解し、適切な施工・管理が可能になります。以下の表は、図面の要素や表現方法と、それに対応する読み取るべき情報をまとめたものです。

図面要素表現方法読み取るべき情報
電気の流れ左→右、上→下電源から負荷への方向
主回路太線大電流の動力系統
制御回路細線微小電流の制御系統
隠れ部分破線見えない配線・配管
注記文字情報施工上の注意・材料指定

現場での活用と誤読防止のポイント

設備図面の知識を現場で効果的に活用するには、理論的な理解だけでなく、実務的なノウハウも必要です。図面の誤読は施工ミスや設備故障の原因となるため、確認手順や注意点を明確にしておくことが重要です。ここでは、現場での実践的な活用方法と誤読を防ぐための具体的なポイントを解説します。

図面と現場の照合方法

図面を現場で活用する際は、必ず最新版の図面であることを確認し、改訂履歴や図面番号をチェックすることが最優先です。古い版の図面を使用すると、設計変更が反映されておらず、誤った作業につながる危険性があります。図面の改訂日付や版数を確認する習慣を徹底することが、ミス防止の第一歩です。

現場での実地確認では、図面上の配置や寸法を実際の設備と照合します。特に既設部分の改修や増設工事では、図面と現場の相違が発生しやすいため、事前に現況調査を行い、図面と現場の差異を把握しておくことが重要です。相違点があれば施工前に設計者と調整し、必要に応じて図面を修正しましょう。

記号の見分けが難しいケースへの対処

類似した記号が複数存在する場合や、図面が小さくて判読しにくい場合には、誤読のリスクが高まります。このような場合は、記号の周辺に記載された補足情報や略号、注記を合わせて確認することで、正確な判断が可能になります。

不明な記号や判断に迷う箇所は、自己判断せず、必ず設計者や監督者に確認することが鉄則です。誤った解釈のまま作業を進めると、重大な事故や品質問題につながる可能性があります。確認を怠らない姿勢が、安全で確実な施工・管理の基盤となります。

図面管理と情報共有の重要性

大規模な製造施設では、複数の図面が関連し合っており、全体の整合性を保つことが不可欠です。電気図面と機械図面、建築図面などを相互に照合し、矛盾や干渉がないか確認する必要があります。図面間の不整合は、施工段階で重大な問題として顕在化することが多く、事前の確認が重要です。

図面の管理体制を整備し、関係者全員が最新版を共有できる仕組みを構築することも重要です。デジタル図面管理システムを導入することで、版管理や配布、変更履歴の追跡が容易になります。情報共有を徹底することで、現場でのコミュニケーションエラーや作業ミスを大幅に削減できます。

まとめ

設備図面の記号を正確に理解することは、製造現場や工場施設の適切な運用・保守管理の基盤となります。電気図面と機械図面にはそれぞれ多様な記号が使用されており、JIS規格に基づいた知識が求められます。

また、配線図・系統図・接続図などの図面の種類を使い分け、電気の流れや線種・寸法情報を正確に読み取ることで、設計意図を深く理解できます。現場での活用では、最新版図面の確認や実地照合、不明点の確認徹底など、誤読を防ぐための具体的な手順を守ることが重要です。

ここで紹介した記号や読み解きのコツを現場で活かしながら、より安全で確実な設備管理を目指してみてください。経験を重ねていくうちに、図面を読む力は自然とレベルアップしていきます。

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